希望の森自由学園
3
「力。これからどうするの?」
「・・・これから寮に行ってカギ貰って来よう」
「力と一緒が良いな~」
「多分無理だろ。何人いると思ってんだ?」
「・・・そうだよね・・・」
「遊びに行くから」
「ありがとう。同室の人と仲良くなれるか心配」
「・・・和なら大丈夫だ」
カギを貰う為に寮の管理人室に来た。
もう入寮してるヤツも多いみたいでスムーズに鍵を渡された。
和の番になって管理人が一言呟いた。
「可愛いな。今までで一番だ。彼氏は居るのか?」
「は?彼氏?俺、男ですけど?」
「そんな事は分かってる。俺にするか?」
「はぁ~?男に興味無いですから」
「残念だな。寂しくなったらいつでも来い」
「ありがとうございます~」
管理人はいかにも遊んでますって感じの若い兄ちゃんだった。
もう和のヤツ目を付けられたのか?
どんだけだって。
これからずっとこんななのか?
「・・・ハードだな。」
「何か言った?やっぱり部屋別々だね。俺104号室。力は?」
「ああぁ。俺は154号室って何部屋あるんだ?」
「遠いかもね。でも遊びに来てね?」
上目づかいでお願いされて行かない訳ないだろ。
無自覚で超鈍感で対立する事が嫌いだから俺が守ってやるよ、ずっと。
「ああ、いつでもすぐに行ってやるから」
「ありがとう~力大好き」
思わず力に抱き付いたら、周りから悲鳴が聞こえた。
えぇっ?なに?どうしたの?何があったの?
悲鳴の先を見てみると入寮をすませた生徒たちが大勢いた。
力を見て真っ赤になってる人や、俺を睨みつける人。
え?俺?何で睨まれてるの?
「誰だろう?カッコいい」
「堂々と抱きついてんじゃないよ」
「でも、ちっさいのも可愛いぞ」
「おお、可愛いよな?俺もろタイプ」
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