希望の森自由学園
4
ざわざわしてるロビーを抜けて寮の部屋の前に着いた。
力を押しのけて走って来ちゃった。
力はまだ可愛い男の子たちに囲まれてる。
104号室の前。
ネームプレートが貼ってある。
・伊藤和
・石井翼
石井翼これから俺のルームメイトになる人
どんな感じの人なんだろう?
離しやすい人だったら良いけどな~。
「失礼しま~す」
扉を開けると玄関に凄いデカイ靴が置いてあった。
力のもデカイけどそれ以上にデカイ。
大丈夫かな・・・俺。
少し心配になって来た。
「おじゃまします。」
ドアを開けるとリビングが広がっていた。
黒を基調にしたシックな部屋だった。
これは備え付けの家具かな?
ソファーとローテーブルにおっきな薄型テレビ。
地デジもばっちりなのね~?
「・・・・・・」
ソファーに寝っ転がり俺を睨みつける瞳。
俺睨まれてます?完全にロックオン?
金髪に耳にはじゃらじゃらとピアスが・・・。
いったい何個開けてるんだろう?
痛くないのかな?
「誰だてめえ?」
「・・・・・・」
でも耳に穴開けるんだから痛いよな~。
俺なんて紙で指切っただけで涙出ちゃうから絶対に無理。
何個開いてるんだろ?
うわ~軟骨まで開いてる。
そこって骨だよね?軟らかい骨って書いて軟骨だもんね。
「聞いてんのか?無視するなんて上等じゃねえか?」
「・・・・・・」
痛みを感じない人なのか?
どうしてそんなに開けちゃったんだよ~
俺は絶対開けない。
母ちゃんから貰った大事な体だもん。
「聞いてんのか!!!」
「えっ?なに?」
いけない何だかトリップしちゃった。
全然聞こえてなかったけど?
何をしゃべってたんだろう?
何かさっきより機嫌悪いんですけど~
どうしてですか?
「何か言え」
「綺麗な金髪ですね?触って良い?」
答えが来る前にソファーに近寄りその金髪の髪を撫でていた。
フワフワして気持ちが良い。
でもこの感じ知ってる気が来る。
何だっけ?
ふわふわ・・・。
気持ち良い感触。
あっ、分かった。
うちで飼っているゴン太の毛並みに似てるんだ。
もうお爺さんなんだけど、小さい頃から飼っているゴールデンレトリバーのゴン太。
思い出してフサフサの毛を撫で続ける。
「ゴン太~」
そのフサフサの毛をぎゅっと抱きしめる。
暖かくて気持ち良くてウトウトしてきた。
ゴン太が近くに居るみたい。
「すぅ・・・」
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