希望の森自由学園

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「翼も睨まないの。笑うと可愛いんだから。ね?」

そう言ってヤツの金髪の頭を撫でた。
撫でられたヤツの目は細くなり優しく微笑んでいた。
そこら辺の女なんて簡単に落とせるぐらいの破壊力だった。
へ~っ・・・。


「話してた力。全然俺と似てないでしょ?カッコいい弟くんです」
「・・・和の方が良い」
「そうかな?俺なんて平凡ど真ん中だよ」
「・・・無自覚?」
「平凡って事自覚してます!!」

「「・・・はぁ~・・・」」

「どうしたの?2人とも?」

つい溜め息のタイミングが揃ってしまった。
無自覚ってもうバレたか?
上等だお前も排除してやる。

「お腹すいた~食堂行こう食堂!!」
「・・・行くか?」
「おう」


3人で学食に行く為に部屋を出た。
本当に綺麗な寮で感動しきりだ。
誰も使ってないんだもんな~。
そんなこと考えてると自然と笑っちゃうよね~。

「・・・和の笑い顔・・・可愛いな」
「翼?ほんと?初めて言われた。ありがと~」

嬉しくて翼に抱きついた。
今までそんなこと言われた事なんて無かったから。
カッコいいじゃないのが惜しいけど、まあ褒められたんだし良いか。
でも本当に翼の腕の中は暖かくて気持ちが良い。
シャツに頬をすりすりしてるともんのすごい低い声の力が呟いた。

「・・・いい加減にしろ」
「いいじゃん。俺は可愛いって言われて嬉しいんだよ。力は毎日のようにカッコいいって言われてるから分からないんだよ!!ば~か」
「俺はいつでも抱きつかれていい。和になら」
「翼は本当に良い奴だな~大好きだよ~」
「・・・・・・」

和の大好き発言に柄にもなく顔に血が上ったのが分かった。
どうなってんだ俺は。
こんな感じは初めてだ。
和の傍にいたい。
今まで誰かの傍にいたいなんて思った事なんて無かったのに。
何故だか和の近くで笑顔を見たい。
抱きしめられる事も嫌じゃない、寧ろずっとそのままでも良い。
何だこの想いは・・・。

「翼?顔赤いけど、熱でもあるの?」
「大丈夫だ」
「なら良いけど。食堂だ~」

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